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多重人格

正式には人格障害ではなく、解離性障害に分類されます。

私たちのこころの中にはいくつもの人格が
存在しているといわれ、あるときには善人にも、
悪人にもなるのですが、
だからといって善人や悪人だったときのことを
忘れるわけではありません。

しかし、人によっては自分の人格の活動の一部を
思い出せなくなることがあります。

よくあるのは解離性健忘というもので、
まぎれもなく自分自身が活動していた
ある時期のことを思い出せなくなります。

普通は何かいやなことがあった時期のことを忘れるようです。

これに対して、普段とは違った人格や行動が現れ、
しかも後になってそのときのことを覚えていない
ということがあります。

たとえば遁走というものがありますが、
これは急に職場や家庭を離れて放浪し、
過去のことをいっさい思い出せなくなるというものです。

ドラマにでてくる記憶喪失というのは
このタイプが多いです。

遁走というのは多くは一回きりですし、
行動的にも放浪といったような
まとまりのないことをするだけですが、
それ以外にも、
まったく違った人格が現れたり消えたりすることがあります。

しかもその新しい人格は、
ごく普通のまとまりのある活動をします。


この場合、苦からの人格のほうは新しい人格のしたことを
ほとんど覚えていません(新しい人格のほうは古くからの人
格の行動を意識している場合もあります)。

こうしてふたつ、もしくはそれ以上の人格が
交代して現れるので、はた目には同じ人間が
いくつもの異なった人格をもっているように映ります。

これを二重人格または多重人格といいます。

これは本人がなにか演技をしているというのではなくて、
本当にもう一人の自分のことがわからなくなってしまうのです。

ひとつひとつの人格には
特に変わった特徴があるとは限らないので、
本当の意味での人格障害ではありません。