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抑うつ神経症

抑うつ状態では、悲哀、抑うつ、
不安感情、外界への興味の喪失、
制止症状(思考や行動が抑制された状態におちいること)
のほかに、
不眠、食欲低下、性欲低下、
知覚過敏などの身体症状があり
日内変動(一日のうちで症状の強さが変動すること、
特に朝がつらい)が認められることが多いのですが、
この状態像を呈する代表的疾患に
内因性うつ病や抑うつ神凝症があります。

うつ病に関しては比較的よく知られているものの、
類似の疾患である抑うつ神経症の臨床的輪郭は
けっして明確なものではなく、
神経症性うつ病や気分変調症など、名称も混乱したままです。

不安な気持ちになる自分-「いい子」を演じるのに疲れたわたし
ご覧ください。

診断基準

次のような項目が参考になります。
① 精神病的でないこと。つまり、抑うつ気分はあっても
現実検討力(空想と外的な現実とを識別吟味する自我の働き)
は保たれ、自分が病気であるという自覚(病識)はあり、
幻覚や妄想を欠いています。

② 軽症であること。うつ病の症状が全部出そろうことはなく、
睡眠、食欲、性欲などはあまり強く障害されません。

内因性の徴候とされる日内変動や強い抑制(おっくうさ)や
焦燥感(いらいら感)がなく、
主観的な気分の異常が主となります。

③ 九〇%以上の例に、他の神経症の症状がみられます。
すなわち、自律神経症状をともなう不安、心気、強迫、
離人症状などがみられますが、抑うつ症状が主体であることで
他の神経症からは区別されます。

④ 外的な負荷(反応性)ないし内的な葛藤(心因性)によって
起こってくる病気です。反応性うつ病とは異なり、
誘因はきっかけにすぎず、
性格上の問題とからんで発症します。

誘因としては、愛する対象の喪失や経済上の困難、
家庭的な問題や身体疾患などがあります。

⑤ 性格に起因する抑うつです。
長い生活史を通して持続する葛藤があり、
それが病気をひき起こしやすくする要因となっています。
具体的には病的な自己愛、
強い口唇固着(くちびるや口内粘膜を快感帯とする幼児的な段階から抜け出ていない性格傾向を指す精神分析の用語です)などが問題となります。
「病的に依存的である」「対象に貪欲であり、
操作的(まわりを振りまわす)で衝動的かつ不安定である」と
記載されることが多く、
抑うつ型の性格神経症といえる側面をもっています。



症状

抑うつ気分

気分が滅入って沈んだ状態であり、悲哀感、罪業感、
劣等感、興味の喪失などの形で訴えられます。
思考が制止し(考えが先に進んでいかないこと)、
悲観的な内容になりやすく、
意欲低下や行動抑制(おっくうで何もする気になれないこと)を
ともないます。

抑うつ神経症においてはうつ病に比較して抑制が少なく、
日内変動は認められないとされています。
また、自分を責めるよりも他人を責める傾向があります。

睡眠障害

寝つきが悪く(就眠障害)、眠りが浅い(浅眠)傾向は
ありますが、朝早く目覚めること(早朝覚醒)は少なく、
うつ病とは対照的です。

不安症状

漠然とした未分化な恐れの感情であり、
恐怖がはっきりとした外的対象に発するものであるのに対し、

対象の無い情緒的混乱を指していますが、
必ずといってよいほど動惇などの身体症状をともなっています。

抑うつ神経症の場合の不安は、夕方に高まることが多く、
訴えを「聞いてほしい」という気持ちが強いといえます。

心気症

心身の些細な不調にいちじるしくこだわり、
これに執拗にとらわれて、重大な疾患の徴候ではないかと
恐れ脅える状態を指しています。

離人症状

「自分が存在すると感じられない」
「自分が今まで親しんできた人や物が何となく疎遠に感じられる」
「私は自分の手や足が自分のもののような感じがしない」といった
自分や外部の物や身体に関する意識の面での
障害を感じることをいいます。

要点としては、長年の葛藤によって
性格神経症的な傾向をもつ者が、いわゆる神経症的症状を
ともなう軽うつ病像を示すことにあるといえます。

ここでいう性格神経症とは、
幼少期における内的衝動(エス)に対する不安、
外的な圧力(例えば両親のしつけ)への不安を
処理するために防衛的になり(自我防衛)、
それがそのまま慢性的に習慣化されて
身についてしまったものを指しています。


退却神経症と逃避型抑うつ

退却神経症

近年、問題になっているものに
うつ病と神経症の境界に位置する
新しい病態があります。

退却神経症と逃避型抑うつと呼ばれるものです。

退却神経症は大学生に多く、
社会性を持った安定した自己(自己同一性)を
つくるという問題とからんで発症します。

無気力・無関心・無快楽を主症状とし、
不安、焦燥、抑うつなど
従来の神経症には必ずあるとされた
主観的苦痛体験をもたず、
本業的生活(例えば、学生ならば学業)からの
選択的ひきこもりを特徴とし、
第三者により無理やり本業的生活に
参加させられると不安が出現しますが、
アルバイトやサークル活動などは難なくこなします。

逃避型抑うつ

それに対し、逃避型抑うつは発年齢が前者に比べて高く、
就職後間もなくか、配置がえの後などに抑うつ的となります。

神経症的葛藤のあるケースはまれで、不安は目立たず
抑うつ気分よりは抑制のほうが強く、苦悶感は少ないのです。

もっとも特徴的な点は、
抑制が全般的ではなく選択的なことであり、
仕事は休んでも社内旅行には参加したりします。

また、病気であるとの自覚にとぼしく
受診にも拒否的であることが少なくありません。

うつ病患者の六つの考え方の特徴 ・治療

① 証拠も無いのに否定的な結論を引き出す。
② 重要なことに目もくれずに些細なことを重視する。
③ 多元的な事柄を、わずかの経験から結論する。
④ 過大視と過小視。
⑤ 自分に関係の無い否定的な事柄を関係づける。
⑥ 黒白をつける完全主義的で、二分法的思考。

うつの考え方の特徴をみますと、自動思考と言えます。
つまり、出来事が起きたと同時に感情的になるのです。

その「自動思考」から離れ、
客観的にその出来事を見ることができるようになれば、
うつは軽減されます。
つまり、ストレスが少なくなるというわけです。

大抵は、必ず原因となった大きな出来事があります。
うつの引き金のようなものです。
それを知ることができるよう
カウンセリングの助けを利用することもできます。



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