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現実感がない

 離人神経症というのは比較的まれな神経症です。

「離人症」といって、
「自分が自分という感じがしない」
「自分が考え行動しているという実感がない」
「自分の頭や体が確かに自分のものだという感じがしない」
「見るもの聞くもの実感がなくピンと来ない」
などという症状が、主症状となります。

 もちろん、自分は自分であり、自分が考え、感じ、
行動していることはわかっているし、
見たり聞いたりしていることも頭ではよくわかっています。

しかしその実感、現実感がないのです。まるで他人事のように、
機械じかけのように感じられ、夢の中にいるような気がします。

この症状はなかなかわかりにくい症状で、
本人も言葉で表現しにくいし、まわりの人も理解しづらいものです。

この知識を通してわかってあげるだけでも本人にとっては大きな救いになります

心が自由になれば、あなたの望みは叶うをご覧ください。


どんな場合にみられるか

 離人神経症は、戦闘、交通事故、レイプなどの精神的なショックや、
その他のストレスに引き続いて急性に起こることが多いものです。

精神的な原因が目立たず、睡眠不足、過労、身体疾患などを
きっかけに起こることもあります。短時間で軽快する場合、繰り返す場合、
何週間、何カ月、時には何年も続く場合もあり、経過はさまざまです。

いったん症状が固定化するとなかなか治りにくい病気で、薬もあまり効きません。

しかし症状が慢性的に続いていても、
仕事や日常生活にはあまり支障がないのが普通です。

ただし本人の苦痛は人知れぬものがあります。
若い人に多く、男性より女性に多いといわれています。

離人症は離人神経症に特有の症状というわけではありません。

ほかの病気のときにもしばしばみられます。むしろそのほうがずっと多いのです。
したがって、離人症がみられた場合、離人神経症なのか、
ほかの病気なのかの鑑別が非常に大切です。

離人症がよくみられる病気には「不安神経症」や「うつ病」などがあり、
強い不安や抑うつにともなってしばしばみられます。

統合失調症」でも初期症状の一つとしてよくみられます。
そのほか「てんかん」「薬物中毒」などでも離人症がみられることがあります。

このような場合は、元の病気のほうを治すことが優先することはいうまでもありません。

また離人症は、健康な人でもひどく疲れたとき、
見知らぬ地へ旅行した時などに一過性にみられることがあり、
一度は体験したことがあるという人が大人の半数以上、
子どもではもっと多いと見積もられています。

症状自体はそんなに珍しいものではないわけです。
それが主症状として持続し、
離人神経症といえるまでの状態になるものは、ごく一部に過ぎません。

症状


自分が自分でない

 自分は自分であり、ほかの誰でもない、昔からずっとこの自分である。
今こうして考えているのも、ここに座って本を読んでいるのも、
本の内容が面白いと感じているのも、むろん自分である。

これは誰にとってもあたりまえの感覚ですが、
離人症ではこのあたりまえの感覚(自我意識という)が
うすれたり失われたりします。

 自己の存在感、実在感がうすれ、自分が自分でないように感じます。
また自分が見たり聞いたり考えたり行動したりしていることが、
確かに自分がしているという感覚がうすれるため、他人事のような、
まるで機械じかけでただ動いているだけのような感じがします。

しかし一方、本人はそれが「感じ」だけの問題であり、
実際はそんなことはないことをよく知っています。

つまり頭ではわかっでいるが、
そんな感じがしてしかたがないので苦しいわけです。

自分の体が自分のものという感じがしない

 前項はいわば「精神的な自分」についての自我意識の障害でしたが、
これは「身体的な自分」についての自我意識の障害です。

自分の体の全部または一部が
自分のものだという実感がないという症状です。

自分の頭や体という感じがしない、自分の手足であるという実感がない、
まるで他人の体のよう、暑さ寒さや痛みさえはっきりと感じない、
などと訴えられます。
むろん前項同様自分の体であることはよくわかっています。

頭でわかっていても実感がないのです。

見るもの聞くもの実感がなくピンとこない

 これは自分の外の世界に対する現実感が失われる症状です。

景色や人物が見えてはいるが
ヴェールにつつまれたようで生き生きと感じられない、
TVを見ても音楽を聴いても
絵や音はわかるが実感がなく楽しいとか悲しいとか感じない、
まるで夢の中にいるか遠い世界の出来事のように感じられる、
などというものです。

現実感消失といいます。

その他の症状

 以上が離人神経症の主症状である離人症の症状ですが、
その他の症状として、離人症があるとそれにともなって起こってくる
さまざまな症状があります。不安、抑うつ、めまい感、などです。

離人症のために自分や周囲を実感できないという体験は、
人を非常に不安にさせます。特にはじめて経験する場合は、
離人症のことを本人もまわりの人も知らないのでいっそう不安が強く、
パニックにおちいることもあります。

後に症状のことがわかってくるとそれほどでもなくなります。

 また、喜怒哀楽の感情を実感できないことは、感情がなくなってしまった、
生きているという感じがしない、喜びも楽しさもないという
「うつ」の状態に導きます。

ただし感情がないといっても、「苦しい」という感情はあります。
また、うつ状態の典型であるうつ病のときには、離人症がしばしばみられます。

 人によっては離人症を一種の「めまい」のように感じる場合もあります。
めまいといっても、自分や周囲が揺れたりぐるぐる回ったりする
いわゆる「めまい」 ではなく、ヴェールにつつまれたようなボーッとした感じ、

ピンとこない感じを、言葉でうまく表現できないために、
「めまいのような感じ」として訴えるのです。
それだけ離人症は本人にとって表現しにくい症状ということです。

似た症状を示すほかの病気

離人症がよくみられる病気として、
「不安神経症」、「うつ病」、「統合失調症」の初期、
「てんかん」の一種、「薬物中毒」(睡眠薬の乱用やアルコールと一緒に飲む)などがあります。

治療法

精神療法(カウンセリングも同じ)と薬物療法があります。
ふつうは両方を並行して行われます。

根気よく治療を続けることが大切です。

また、たとえ症状が残っていても仕事や日常生活に支障がないなら、症状と
共存を図りつつ積極的な生活を送る心がけも必要となります。

自我の確立や同一性形成は個人の人格形成の本質的テーマです。

大抵の離人症は、過去の経験が原因で生じています。
ですからその過去を避けないで向き合えるようになると
回復に向かってゆきます。

離人症は治らないものと考えている人も多くいます。が、
過去の経験からくる不安が、自信のなさが
引き金となっていることも多くあります。

それで
精神療法では直接・間接の励ましやアドバイスを受けられますが
根本的には、さまざまな人間関係の体験を通して、
自らの気づきと自己決定してゆくべきものとなります。

つまり、過去をなくすことや変えることができないので、
あなたの過去の忘れていたい出来事に注目して、
どう捉えるかが大事になります。
問題が外にあると考える(自分のせいではない)だけでは、
前向きになることは難しくなります。

過去にいやな、ひどい経験をした人がすべて
離人症になっていないことに注目しましょう!!
それらの人たちは、悪い過去をバネにしました。
自分の状況を客観的に見て、自分自身に問うたのです。

起きたことが、生じたことで、自分の価値をおとしめなかったのでしょう。
あなたはあなたで、その存在で価値があるのです。特別です。
そうなれば自分自身に自尊心が芽生え、
心理的・社会的に成長し真の大人になるというわけです。
あなたのペースで行える方法を考えましょう。


不安な気持ちになる自分-「いい子」を演じるのに疲れたわたし
ご覧ください

日焼け止めしながらホワイトニング。
https://youtu.be/7TC2BapxDIU