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 掲載されている情報は、あくまで参考程度として、ご自身の責任下においてご利用下さい。なによりも、医師の指示に従うことが一番大切なことです。あくまでも一つの情報として活用なさってください。


精神科・神経科ってどんなところ?

 精神科は恐いところと言うイメージはありますか?精神科のクスリは人間の性格を変えてしまうという認識をお持ちではないですか?? こういったステレオタイプの考え方が、まだまだ存在していることは事実です。

 しかし、精神科・神経科というものは恐いところでも何でもないのです。外来ではちょっと変わった人が居るくらいで、他人に危害を加えるような方はいません。ですから別段、高い敷居があるわけでもなく、もちろん門を叩いた時点で「人間失格」の烙印を押されることなども絶対にありません。

 また、神経痛も精神科・神経科の担当領域ですので、いざ外来に行ってみれば老人の数の多さが目に付くのです。ちなみに、精神科と神経科はほぼ同じようなものだと考えてよいでしょう。

 もちろん、精神科・神経科は呼吸器科や循環器科などと同様に国によって認められた標榜科ですから、健康保険も特殊な場合を除いてはしっかり適用されますのでご心配なく。他に大学病院などでは精神神経科、神経精神科などもありますがこれも一緒です。

 精神科に通う方々が訴える主な症状としては、憂鬱で何もしたくなくなった、どうもソワソワと焦ってしまって落ち着けない。

 様々な内科的検査を受けても異常なしと言われた、いっそ死んでしまいたいと考えてしまう、特定の場所や物が恐くてアクセス出来ない、 疲れているのに眠れない…などなど多数ありますが、このくらいで精神科に行くくらいのレベルではないと考える方が多いようです。

 しかし、症状が重いのか軽いのかは精神科医が判断してくれますので、前述のような症状があれば、まずは気楽に精神科に行ってみて下さい。

精神科・神経科の診察はどんなもの?

 精神科・神経科の診察ですが、他の科を受診するのと大きな違いはありません。例えば小さな個人病院ならば、どんな症状があるのかを聞かれる程度です。違いといえば聴診器で診察されない点くらいでしょうか。

 ちなみに問診の際には、どんなプライベートな内容でも医師に話してしまって問題ありません。医師には刑法(第134条)に規定されている『守秘義務』がありますので、診察の上で知った患者さんの秘密を正当な理由無く漏らした場合はお咎めを受けることになっているからです。

心療内科とは?

 近年は『心療内科』という診療科を標榜する所が増えてきましたが、心療内科は基本的には「ストレスなどが原因で傷ついた、カラダのハード面(胃潰瘍や高血圧など)」を治療する標榜科です。

 しかし、心療内科を標榜している医師でも精神科領域にも精通しているケースが殆どですから、精神科にどうしても抵抗があるならば心療内科に足を向けても間違いではありません。
 これは勝手な言葉ですが「心療内科」という「精神科」が増えてきたといった感じでしょうか。

 余談:近年では医師過剰の地域では、精神科や神経科生え抜きではない医師が食い詰めた結果『心療内科』に鞍替えしているケースもあるという話を耳にしたことがありますので、その辺りは注意してもいいかも知れませんね。

良い医師と悪い医師の見分け方とは?

クライアントさんの経験から、少しリストアップしてみます。
参考にできると思います。

良い医師と思える悪い医師と思える
症状を丁寧な口調で詳しく尋ねる。対応が横柄であり、症状なども詳しく聞かない。
自分が処方した薬について副作用をも含めて、納得のいく説明をする。自分が処方した薬についての説明は一切しない。
内科的な知識も豊富で「心身症」にも対応できるならいい。明確な治療方針が立てられず、患者からの質問にも答えられない上に、アドバイスも出来ない。
大病院とのパイプがあり、症状によってはそこへと紹介できる態勢がある。内科的知識に欠けていて、各種検査も出来ない上に、初診時でさえも「3分診療」で済ませてしまう。

 また、精神科の場合、医師との相性というものも大きなポイントです。自分のプライベートな部分を話すのだから、心の許せない人間にはそんなことは出来ないでしょう。

 しかし、中には、上記のような「悪い医師」もかなり存在します。特に多いのが、患者に対して「病気だったとしたらあなたにも責任がある」「あなたのような患者は手に負えない」とかいうことを平然と言う医師です。

 それから最近流行っているようですが、患者をおどして恐れさせる医師というのもいるようです。こういった医師に出会ってしまった場合は、すぐに医師を変えることも、あなたが決められることを覚えておきましょう。と言っても時に、ドクターショッピング的に医師を変える人もいることはいます。

 そして、心得ておかなければいけないのは、精神科に行けばすべてが解決するということはありません。精神科は前述のように単なる一つの標榜科ですから、行けば仕事を紹介して貰えるとか、そういうことはありません。精神科に多大な期待を寄せていくのも問題です。

精神疾患とは?

 さて、精神疾患とはどんなモノかといいますと、これは原因別に「内因性」「外因性」「心因性」という3つのタイプに分類されます。

 内因性とは、現在の所、原因が解明出来ていない疾患のタイプであり、統合失調症や双極性障害などがこれに当てはまります。原因不明と言うことは、 つまりは誰がいつ罹患してもおかしくはないと言う事になります。

 外因性とは、脳が衝撃など色々な要因で傷ついた場合や、その他の体の不調が原因因子となり、発病するというタイプです。これもよくよく考えてみれば 、一生で一度も風邪にかかることがない方はいないように、こういった体の不調が原因で発病という可能性があるわけですから、これもまた、 誰でもかかる可能性のある疾患なのです。

 最後に心因性とはその名の通りで現代のストレス社会の中で、もみくちゃにされた結果、心労が蓄積していって発病してしまうというタイプです。 前述のように現代のこういったストレス社会に生きている我々にとって見れば、これもまた誰でも発病する可能性があると言うことになります。

 どうでしょうか、精神疾患について少しでも身近な物だと考えて頂けましたでしょうか?精神疾患は風邪を引く程度の身近な物であると お考え頂ければ幸いです。

精神科・神経科で用いられる薬とは?

 精神科で用いられるクスリは、恐ろしい物だと思われがちですが、脳の神経に働きかけて憂鬱な気分を和らげる物、同じくリラックス系の神経に 働きかけて不安や恐怖を緩和したり、不安感などを和らげて自然な睡眠を誘う物などがあります。

 いずれも疾患の改善の手伝いをする程度の物であって 、クスリによって人格が変わってしまったり、その人らしさが無くなったりする物では決してないのです。

 精神科のクスリは恐ろしいなどと言うのも典型的な間違ったステレオタイプな認識なのですが、まだまだ世の中全体にそういった情報が伝わっていないのが現状です。重ね重ね申し上げますが、精神科のクスリは恐い物ではありません。